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東京浅草の萬藤さんを訪ねました。(2)

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年7月18日に東京浅草の萬藤合羽橋店さんを訪ねました。

20180718萬藤合羽橋店で記念写真

萬藤合羽橋店にも本店同様たくさんの乾物が所狭しと並んでいます。
丁度七夕祭りの時期だったので、店内には吹流しも飾られていました。

20180718萬藤合羽橋店内観

今日は江戸時代から明治にかけての葛の資料を見せていただくために植松美恵子さんを訪ねました。

植松さんは先代が乾物の本を執筆するのを手伝ったことをきっかけに自身でも資料を集めるようになったそうで、
先代が持っていた資料からさらに蔵書が増え、奥の部屋は古書でいっぱいです。

20180718萬藤資料2

今日は数ある乾物に関する書物の中から、葛に関するものを選んで見せていただきました。
たくさんの資料を見ただけでも葛粉が昔から生活の中に身近にあった食品であるということがよくわかります。

20180718萬藤資料

この『大日本物産図絵』は三代歌川広重によるもので、明治10年に開かれた第一回内国勧業博覧会で販売されたものです。
日本全国の名産品と生産の様子が描かれています。
だいたい一つの国が二枚で構成され、別々な品が描かれていますが、大和国は二枚とも葛に割かれています。
これを見ると葛が大和国における重要産物であったことが類推されます。

20180718萬藤大日本物産図絵1

20180718萬藤大日本物産図絵2



大日本物産相撲では相撲の番付表に見立てて各地の名産が紹介されています。
江戸や京阪の板元から色々なものが出ていて、同じ品でも位置が違います。
「葛」でも他産地の葛が載る場合もあります。板元の地域等によって力関係で位置や取り上げられる品目・産地も違います。

20180718萬藤大日本産物相撲

江戸時代は横綱はいないので大関が最高位になります。
この番付表では吉野葛は西の方の前頭。
東方の前頭には三輪素麺、小結に奈良晒が入っています。


たくさんの和本に混ざって、浮世絵も見せていただきました。
浮世絵の中にも乾物を知ることができるものがあります。
例えば「当時の乾物屋では卵が売られていた」など当時の生活の様子がよくわかります。

20180718萬藤資料3

『はしか絵』というものもありました。
はしかは大人がかかると死に至る病で、死ななくても免疫が落ち、他の病にかかってなくなることも多かったです。
そこで『食てよいもの』と『大毒にあるもの』に分けて、はしかにかかった時にどのようにすればよいのかをわかりやすく知らせました。
これは『流行麻疹退散の図』です。葛は『食てよいもの:葛のこ』と書かれています。

20180718萬藤はしかえ

こちらは『はしか養生便』です。
高価な薬を買ったり、医者に見てもらうことがままならなかった庶民にとってはこれらの資料の情報は大切なものだったと思われます。

20180718萬藤養生便

葛は飢饉のときの食料としての一面もあり、葛粉を使って日々の食糧のかさ増し調理法を書いている書物もあります。
それらの書物は飢饉に対しての葛の有用性を切実さを持って民に説いているそうです。

たくさんの貴重な書物を見せていただき、視覚的な古い情報をきちんと読み解き、保存していく必要があるということがよくわかりました。

20180718萬藤植松さん

乾物は四季のある日本ならではの食品で、物の採れない時期を食いつなぐための知恵でした。
今は栽培法の変化や輸入の増加で一年中食べ物に困ることがなくなりましたが、災害などでは長期保存できる備蓄食料が必要になります。
また、乾物は栄養が凝縮されていたり、干しシイタケのように栄養が付与されているものもあります。
美容や健康、そしていざという時のために、乾物を上手に利用していく習慣を取り戻したいと思いました。

20180718萬藤合羽橋店外観

各種乾物のお求めは、ぜひ萬藤合羽橋店へ。

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