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東京浅草の萬藤さんを訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年7月18日に東京浅草の萬藤さんを訪ねました。

20180718萬藤本社外観

萬藤は東京の乾物問屋です。
今はもともと倉庫だった部分を『乾物カフェ』に改良し、海外の観光客も訪れる乾物専門店になっています。
天極堂の吉野本葛や葛湯も店内に並んでいました。

20180718萬藤天極堂の吉野本葛

天極堂との取引は戦前からで、記録に残っているところでは70年前、仕入れのメモ帳があります。
3代前の社長が、東北の山の中で偶然出会ったことで取引が始まったのだそう。
もともと萬藤は乾燥柏葉をたくさん仕入れたことで始まります。
仕入れた柏葉を売り、売ったお金を持って行って北海道で小豆を買い、伊勢参りを兼ねて吉野葛を買いに行く…。
先代は行動力があり、日本中を買い付けに回り、全部現金支払いで、いいものがあれば先に買い付けていたそうです。

戦争当時はみんなが甘いものに飢えていました。
砂糖は統制だったので、当時は砂糖以外の製菓材料を売っていました。

南極大陸御用乾物として吉野本葛が利用されたこともありました。
写真は先代の社長様です。

20180718萬藤南極大陸用

そんな萬藤は今も現場主義。
産地を見て、会って、話して、買う。
すると長い付き合いになるし、いいもの、悪い時でもその中でいいものをよって売ってくれるのだそうです。

でも、最近は産地の高齢化で収穫が出来なかったり、次世代の担い手がいなかったりと心配事も。
今の日本は手間のかかる作物を作らない風潮もあり、伝統を残すというのは本当に難しいです。

健康効果をメディアが発信するとぐっと伸びますが、調理に手間のかかる乾物は不人気です。
和食が世界遺産になったことで糧食側を取り入れることが増えていますが、日本の日常の食の中では『和』が減り続けています。
日本食のアイデンティティーが壊れてしまっているのではないかと心配になってしまいます。
コンビニや中食が発達し、調理器具がいらない世の中になったと言われていますが、便利になればそれで本当にいいのでしょうか。
萬藤でも高級スーパー(成城石井、クイーンズ、エースなど)に卸していますが、駅ナカの小さな店舗が増えたためにアイテムが限られ、素材(材料)は減って総菜が売れる時代になっています。

「和食や和菓子をもっと知ってもらいたい」と社長。
そのために今年は乾物カフェをオープンしました。
店内には所狭しと乾物が並べられ、白玉など乾物を使ったスイーツを食べることが出来ます。
日本人はもちろんですが、海外の観光客も多く訪れていて、道具屋で買った削り器を見せながら「かつおぶしを買うから削り方を教えてくれ」という人もいるのだそうです。
一番人気は抹茶、続いてだし、かつおぶし、昆布、ゆず、山椒、七味と続きます。
刺身こんにゃくを自分で作れるとこんにゃく粉も良く売れるのだとか。
あらかじめ調べてくる人が多く、マニアックで、よくご存じなのです。
今では日本人より海外の人の方が日本文化をよく知っており、真剣に向き合っているようにも思います。

20180718萬藤本社店内

20~30年前のニューヨークのスーパーで自然食コーナーに『kudzu』がありましたが、実際に葛粉を毎日の食事に取り入れてというのは難しいようです。
やはり値ごろ感が問題のようで、みんな「国産がいい」と口をそろえて言っているが、いざ国産が他の10倍、100倍の値段だと分ると、結局売れないのですよね。
価値を分かってもらうのは本当に難しいです。

20180718萬藤対談

萬藤は現在の社長で4代目。
お客様も大事ですが一番大事なのは仕入先だとおっしゃいます。
小さなメーカーが多く、安全管理の基準に達していないところも多いです。
長いお付き合いのところがそのような理由で別の所に変えざるを得ない時が一番心が痛むと話します。
今後は新しいマーケットとして海外も視野に入れているそうで、これからの動きに期待したいですね。

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