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2018年7月19日に静岡県の葛布について、小崎葛布さんを訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年7月19日に静岡県の葛布について、小崎葛布さんを訪ねました。

20180719小崎葛布玄関で

社長と専務(弟さん)のお二人が、優しい笑顔で迎えてくれました。

20180719小崎葛布対談

まずお店に入って驚いたのは、葛布商品の種類の豊富さ。しおり、うちわ、コースター、カード入れ、印鑑入れ、名刺入れ、財布、うちわ、扇子、ブックカバー、ポシェット、鞄、帽子、日傘、掛け軸、カーテン、座布団、草履…

手軽にお土産として配れるようなものから、一生物の高価な物までそれはいろいろなものが並べられていました。

高価な葛布が座布団や草履ってもったいなくない!?とも思ったのですが、葛には防虫効果や殺菌効果があるので、においが気になる物にはむいているのだそう。

20180719小崎葛布赤

1階がお店、2階は工房になっており、この日は男性1名がカーテンを、女性2名がもう少し小さい物を織っていました。

20180719小崎葛布緑

葛布は鎌倉時代から伝わる織物。
葛布の滝で行者が修行をしていると、水にさらされて白くないっている繊維を見つけ、行者が葛布の作る方を人々に教えたのが始まりだと言われています。

透けるように白く清らかな葛の糸は、伝説が真実であると言っているように見えました。

20180719小崎葛布葛糸

江戸時代、掛川ではどの家にも機織り機があって、葛だけで産業が成り立っていました。
袴や道中着に使われていたましたが、明治になって武士がいなくなり、袴需要がなくなり、廃業するところが多くなりました。
それでも明治時代には十数件の織問屋がありました。

昔からお茶の産地だった掛川は、お茶商人が出入りしており、海外事情に詳しく、壁紙を作ることを提案したそうです。
袴から壁紙への転換を図ったことが成功し、アメリカやヨーロッパへ輸出されました。
独特のツヤがある壁紙は『グラスクロス』とも呼ばれ、たちまち人気商品になりました。
掛川だけでまかないきれない壁紙は各地で作られ、それでも足りなくなり、韓国でも作られて輸出されました。

20180719小崎葛布葛糸カラフル

昭和30年代までは順調だった壁紙産業ですが、その後糸を作る人が減少。
材料も少なくなって輸出は減り、現在は二件を残すのみ。
(小崎葛布と川出商店。大井川葛布は掛川市ではないので掛川葛布とは呼ばないのだそう。)

取り手が少なく高価になってしまった原料では壁紙を作るよりも、小物の方が良いと、工芸品を作るようになりましたが、今では葛布だけでは利益を出すことができず、小崎社長も30年前から薬屋をすることでバランスを取っているのだそうです。

20180719小崎葛布緑アップ

葛は万能薬。
歴史的には水戸黄門も葛を利用していたし、ハワイではオーガニックのナンバーワンは葛だと言われているそうです。

小崎社長は葛布の織り元であると同時に薬屋もされており、長年培ってきた人脈と、様々なご縁を活かし、精力的に活動されています。
今回の『葛まるごと利活用委員会」でも葛の葉などで作った飼料を食べさせた鶏をホテルのシェフに調理してもらうなど、コーディネーターのような活躍もされています。
多摩美術大学では毎年講義をし、葛布とのコラボも行っていて、大学生にも伝統工芸を体験してもらうことで、興味を持ってもらうことが目的なのだそう。

20180719小崎葛布工場見学

笑顔で人当たりの良い社長のところにはいろいろな人が集まってくるというのはうなずけます。
趣味は何もないと話すが、葛布を含め、掛川の産業を守り復興させることや人脈を活かして行動を起こすこと、仕事そのものが趣味のようにも見えました。

20180719小崎葛布揺れるのれ

小崎葛布の玄関先にかけられた葛布で作られたのれんは、少しの風でもふわりと揺れ動き、涼を感じさせてくれます。

20180719小崎葛布外観

葛布は高いです。
でも、高いだけの価値はありますよね。
しなやかで、丈夫で、美しく、艶やか。しかも防虫・防臭・抗菌作用があって、おまけに長持ち。

ぜひ、掛川に足を運び、葛布を実際に手に取ってみてください。
きっとあなたのお気に入りが見つかると思います。
そしていつまでも大切に使ってください。

日本の素晴らしい文化を、次世代へつなげたい。
私の心からの願いです。
16:53 | 葛ソムリエ | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
2018年7月18日に東京新橋の鮨処うお倉さんを訪ねました。 | top | 2018年7月19日に静岡県掛川城と中央図書館を訪ねました。

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