2018年5月25日 葛の旅で和歌山県の高野山を訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年5月25日 葛の旅で和歌山県の高野山を訪ねました。

20180525高野山南院門前

高野山は弘法大師が816年に真言密教の根本道場として開創された霊山です。

今日は別格本山南院を訪ね、内海様にお話を伺いました。

20180525高野山 対談

高野山といえば胡麻豆腐。

精進料理は魚肉をさけた料理であるため、こんにゃくを刺身に見立てたり、山芋をうなぎに見立てたりと、植物由来の素材を利用した見立て料理が多く用いられます。
また、五法、五味、五色の組み合わせを大切にしており、彩り豊かな食事が作られます。

南院でもお食事に胡麻豆腐を提供することが多いそうでが、季節感を大切にするため、山葵、生姜、梅酢、木の芽味噌、鉄火味噌、あんかけ、黒蜜などトッピングを変えたものや、天ぷらにしたものなど趣向を凝らしたものを提供されているそうです。

さっそく台所で胡麻豆腐作りの様子を見させていただきました。

20180525胡麻豆腐 鍋

鍋に入れるのは葛粉、練り胡麻、水。
余計なものは含まれません。

しっかりと葛粉を溶かしたら、火にかけて練り上げていきます。
始めはサラサラですが、段々と粘りが出てきます。
少しの量を作るのでも最低20分は練り続けないと、弾力のある胡麻豆腐はできません。

20180525胡麻豆腐 調理

しっかりと練り上げたら型に入れて流水中で冷やし固めます。
そのまま放置すると表面にしわが入ってしまう為、
水の中で粗熱を取ったあと、冷蔵庫に入れてしっかりと冷やし固めます。

南院では子供たちが宿泊する時など、自分たちで作る体験もできるそうです。

20180525高野山 室内

お食事をいただくのは大広間。
欄間に使われているのは奈良県元興寺の古材だそうです。

20180525料理 豆腐

今日の胡麻豆腐はわさび醤油でさっぱりと。
なめらかで弾力があり、何ともいえない食べ心地です。
とてもあっさりとした味ですが、その理由は胡麻にあります。

高野山の胡麻豆腐は白胡麻の皮をむいた「剥き胡麻」に水を加えながらすり潰したものを使うので、
炒りごまのような香ばしさはなく、油分も少なくなるそうです。

20180525料理 お椀

今日のお膳は、里芋の煮物にも葛あんが使われていました。
こちらは白だしに軽くとろみをつけたもので、とても上品な仕上がり。
色とりどりのあられが見た目にかわいいです。

20180525料理全体

葛料理は江戸時代から作られていたことが文献にも残っています。
医食同源と言いますが、やはり体に良いものを摂る習慣があったのではないでしょうか。

内海様が高野山の話と共に様々なお話を聞かせてくださいました。

20180525高野山 女性

食事の後は丁度咲いたばかりの朴(ほう)の花を見せていただきました。
朴葉味噌などは岐阜辺りで有名ですが、実際に朴の木を見たのは初めて。
とても堅い木で、下駄やまな板を作るのに向いているそうです。

20180525ほうの花

朴の葉は8枚、朴の花も8枚。
大きな葉っぱに隠れて下からでは見つけにくいのですが、風に吹かれて朴の花の甘い香りが辺り一面に広がっていました。


本堂の入口には龍の天井画が。
中央で手を叩くと、ビーンという反響音が帰ってくることから「鳴き龍」と呼ばれています。

20180525天井 龍

浪切不動明王や仏舎利塔も見せていただきました。
長い時間いろいろなお話を聞かせていただきました。
ありがとうございます。

20180525高野山集合写真



南院様では練りごまを使うそうですが、高野山にある老舗、濱田屋さんでは白胡麻から作るということなので、帰ってから濱田屋さんにお電話で少しお話を伺いました。

濱田屋さんの胡麻豆腐の作り方は、白胡麻の皮をむき、芯の部分に水を加えてすり潰していくという独特の製法。
胡麻の皮をむいたり、胡麻の芯の部分をすり潰す機械があるそうです。
時間をかけて練り上げるのもこだわりで、濱田屋さんでは胡麻豆腐を練っている間に般若心境を唱えているそうです。

もともと高野山では「豆腐屋」が多く、高野山の高野豆腐は有名です。
しかし、自然の天候に頼った製法であるため、作るのに手間と時間のかかる高野豆腐。
他県では機械を導入するなど製造方法の改良が行われる中、高野山では昔ながらの製法を守っていましたが、昭和33年に最後の業者が廃業となり、高野山での高野豆腐作りは途絶えてしまいました。
その後、南海電鉄やケーブルカーの開通があり、参拝客が6万人を突破し、高野豆腐に変わる土産物が求められるようになり、胡麻豆腐の商業化が始まりました。

今では胡麻豆腐といえば高野山と言われるほど定着しました。

各都道府県によって胡麻豆腐の由来や特徴があります。
高野山の『あっさりとした爽やかな胡麻豆腐』、ぜひ食べに行ってください。
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