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カテゴリ:葛でんぷんが食用とされるまでの歴史
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葛と和菓子

 天極堂では吉野本葛を様々な商品に変化させています。胡麻豆腐葛うどん葛のスープもありますが、種類が豊富なのはやはり葛を使用したお菓子です。

 天極堂が製造している葛菓子はさまざまありますが、和菓子では葛湯葛餅葛きり葛もなかなどがあります。洋菓子では葛入りデザートぷるるんロールケーキも販売しており、ご好評をいただいています。

 では、日本ではいつ頃から葛を使用したお菓子が作られ始めたのでしょうか、、、。



 本格的に菓子の材料として葛の認識が高まるのは、やはり江戸時代以降になる。寛永13年(1636)に刊行された日本で最初の料理書『料理物語』に、葛そうめんやすいせんとは別に、葛と砂糖と水をこねて焼いた葛焼餅、葛と水を練り、砂糖等をかける葛餅が菓子部に登場している。

 その後、最古の菓子書『諸国名物御前菓子秘伝抄』(享和3年/1718刊)を始め、各種貸し製法書の「羊羹」の項に、葛を主材料にした蒸羊羹の製法が記された。

 寒天発見の年号については諸説あるが和菓子関係の本では万治年間(1658~62)とされ、寛政の頃、伏見の駿河屋が寒天を利用した練羊羹を製造している。天保12年(1840)に刊行された『菓子話船橋』では、寒天使用の練羊羹と葛粉使用の蒸羊羹の項目に分かれているが、寒天、葛粉、砂糖、芋の漉し粉を練り合わせた薯蕷羹の製法も記されている。その他、葛ちまき、葛饅頭、葛きりの菓子名が見られ、求肥飴、唐飴、養命飴等の飴類にも葛が使用されている。

 江戸時代も後半すぎには、砂糖の国内生産量の増加に伴って菓子屋も増え始め、和菓子の体裁も整うこととなる。庶民の味として江戸名物のひとつとなった亀戸天神・船橋屋の”くず餅”が登場するのもこの時代のことだが、こちらの”くず餅”は小麦澱粉製である。

 平成の世において、葛を使用する菓子を大別すると、①葛を主原料にしたもの(葛饅頭、葛ちまきなど)、②葛製品を他の材料と組み合わせたもの、③材料のひとつとして葛粉を混ぜ合わせたものに分けることができる。滋養に優れ、他の材料にもなじみやすい葛は、かくしてさまざまな菓子に多用されているのである。

(㈱製菓実験者「製菓製パン」より抜粋)


 今では「葛菓子」といっても和菓子だけでなく洋菓子やアジアンスイーツなど様々なジャンルで活躍するようになってきました。天極堂でもくずの子ロールや葛ぷりん、葛のチーズケーキに続いて「焼き菓子」にも挑戦していますので、発売の日を待っていてくださいね。
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葛でん粉が食用とされるまでの歴史

葛でん粉や他のでん粉は、水晒しの技術によって製造されています。この水晒しの技術を持たなかった時代には、人々は根をしがんででん粉を食べていたと思われます。しかし、このような食べ方はとても食料と呼ぶにはふさわしくありません。
かつて青森県では「根餅」という、葛根を乾燥させて石臼でひき、小麦粉を混ぜて団子にし、蒸すかゆでて、砂糖やしょうゆにつけて食べる方法が残っていたようです。寒冷地である青森地方はしばしば飢饉にみまわれており、このような時代、根餅は一種の救荒食としての葛の利用方法であったと思われます。しかし、今日のように調理に工夫を凝らして食を楽しむものとは程遠く、水晒し技術が開発されるまでは、葛は食を楽しむための素材としては普及されなかったようです。
水晒し技術は現在天極堂で行われている吉野本葛の製法に変わらず受け継がれています。発祥の地は日本の関東地方以南から中国の江南地方にかけての照葉樹林帯であると考えられています。日本ではこの技術を用いてクズ、カラスウリ、ワラビ、カタクリ、ユリ、ヒガンバナなどからでん粉を取り出していました。
水晒し技術の開発によって、そのままでは食べられなかったものや、たとえ有毒物質を含む根茎類であっても、水晒しすれば食べられるようになりました。このような植物は栽培化が試みられるようになり、農耕の着想が生まれた可能性もあります。また、人々は飢饉から逃れられるようになり、大きな人口を養う可能性も出てきました。
文政13年には大蔵永常によって「製葛録」が書かれ、葛の製法や利用方法について事細かにまとめられています。
江戸時代には各地の藩は藩経済上、殖産奨励策をとり、また基金のときの用意として製造が拡大されました。こうして生産量が増え、天保年間には大阪の乾物問屋で50万貫(18,750トン)の葛でん粉が生産されていました。

天極堂通販サイト「吉野本葛」

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