2018年6月14日 葛の旅で奈良県吉野山の蔵王堂を訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年6月14日 葛の旅で奈良県吉野山の蔵王堂を訪ねました。

2018年6月14日蔵王堂入口

吉野山の桜は、「一目で千本の桜が見えるほど豪華」という意味から「一目千本」と言われています。
桜は下千本、中千本、上千本、奥千本と呼ばれ、毎年4月初旬から末にかけて下から奥へと順に開花していきます。

今日は6月、初夏の陽気。
桜はもちろんありませんが、青々とした緑が目にまぶしく、澄んだ空気に包まれていました。

お土産物屋さんが立ち並ぶ通りを登りきった所、階段の上にあるのが仁王門です。
そしてその奥にあるのが蔵王堂。

2018年6月14日蔵王堂本堂

山上ヶ岳にある大峰山寺本堂に対し、山下の蔵王堂と呼ばれます。
正面5間、側面6間、高さ約34メートルで、木造古建築として東大寺の大仏殿に次ぐ大きさなのだそうです。

檜皮葺きの大きな屋根は本当に迫力があります。

私たちが蔵王堂に入ろうとした丁度その時、お山での修行を終えられた山伏の方々が戻ってこられました。
50名くらいでしょうか。
山伏の装束は土で汚れ、蔵王堂の方々が「お疲れ様でございました」とねぎらいの言葉をかけておられました。

そして、私たちが堂内にいる時に、護摩業が始まったのです。

堂内に響き渡るお経の声とほら貝、太鼓が加わると、柱も床も共鳴して、御堂全体がうなります。
お1人のお坊さんのお経でも響くところを、50名以上の山伏さんたちも一緒に唱えているのですから、それはすごい迫力です。
そして、護摩を焚く炎も徐々に徐々に大きくなっていきました。

2018年6月14日蔵王堂正面

蔵王堂には蔵王権現様がいらっしゃいます。
普段は見ることができない秘仏ですが、御開帳されるときには内陣に発露の間が設けられ、権現様と対面することができるそうです。

東大寺の大仏を始めとするいわゆる仏様の優しいお顔ではなく、憤怒の形相。

役行者が「乱れた世の人々にはお釈迦様の本当の姿は見えない。観音様ではお優しすぎる、末法の世の民を救ってくださる厳しい方を」と願った際、湧き出てきたのが蔵王権現様だそうです。

憤怒の形相は、お釈迦様が強悪救いがたい衆生に対された時のお心の現れだそう。
どんな悪魔でも降伏させるお誓いの現れです。

「ちゃんとしなさい」そう叱り、励ましてくれているのですね。

2018年6月14日蔵王堂社長

今回は山伏、護摩業との出会いがあり、思わぬところで修験道を身近に感じることができました。

「講」はお寺の許可を得た先達を指導者とし、地域が一つになって仲間とともに山に入るもので、ほんの20年前は近鉄吉野線に乗っていれば「講」の方達をよく見かけたものです。
今ではすっかり「講」も見かけなくなりました。
地域社会のつながりが薄れているからかもしれませんが、今の私たちにこそ必要な気がしました。

ここでは初心者も僧職の人も一緒に歩くのだそうです。
みんなに励まされ、山の気に助けられ、お経をあげることで知らず知らずに心が清らかになります。

私は自分の力で生きていると思いがちです。
無信心で自分勝手で大した苦労もしてない私など、自分の力で生まれてきたと思いそうになる時もあります。
自分一人で生きているのではなく、生かされていることに気づく。
それに気づく機会が、それを教えてくれる機会が、今の時代は少ないのではないでしょうか。
(それとも私が人の教えをまるで聞いていなかったのかもせれませんが…)

葛を旅するにあたって、5月には高野山、6月には吉祥草寺と蔵王堂を訪れました。
日本的な考え方、日本の文化、葛の歴史を考えるには、もっともっと知らないといけないことばかりだと反省の毎日です。
法事以外でも、お寺の住職さんのお話をもっと聞きたいなと思いました。


15:34 | 葛ソムリエ | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

2018年6月14日 葛の旅で奈良県吉野町の竹林院群芳園さんを訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

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2018年6月14日 葛の旅で奈良県吉野山の竹林院群芳園さんを訪ねました。

20180614竹林院群報園お料理

豊臣秀吉も食べたという、吉野本葛を使った『利休鍋』を求めて、女将さんにお話を伺いました。

20180614竹林院群報園看板

竹林院群芳園というのは、老舗の旅館です。

もともと竹林院(椿山寺)という修験道のお寺(宿坊)で、聖徳太子建立の一寺だと言われています。
約1300年前、吉野山で一番古いお寺で、豊臣秀吉が花見をしたことでも有名。

20180614竹林院群報園郡芳園

戦前は学徒疎開で大阪の生徒さんを受け入れていたそうです。
今は林間学校を受け入れるなど、一般のお客様も広く受け入れる宿泊施設となっていますが、
戦後に旅館登録が必要になった際に、竹林院という宿坊と、郡芳園というお庭とを合わせて『竹林院群芳園』としたのだそうです。

20180614竹林院群報園玄関

歴史を感じるたたずまい。
今の建物は江戸後期に建てたものだそうです。

与謝野晶子など著名人も多く宿泊しているそう。

20180614竹林院群報園下駄

レトロな内装は、モノを大切に扱っていることが感じられました。

20180614竹林院群報園内観

柱時計一つとっても、時を刻んでいるのに、静寂さを感じさせ、すこし不思議な気持ちになりました。

おじいちゃんの家にも昔は柱時計があって、いつもネジを巻いていたな。
ふとそんなことを思い出しました。

20180614竹林院群報園時計

ここは天皇皇后両陛下はもちろん、皇族の方々も訪れる旅館です。
皇后陛下の最後のご旅行では、槙の木のお風呂に2度も入られたそう。

私も今度は、ゆっくり泊まってみたいなと思いました。

20180614竹林院群報園廊下

女将さんにお話を伺いました。

竹林院では、お客様へのお料理として葛を使うのはもちろんですが、
吉野山では昔から葛粉を作る習慣があったため、
先の大戦では戦地に胃腸薬として葛粉を持って行ったそうです。
また、胃に優しいと言うことで、修行を終えた人が葛粉を買って帰ることも多いのだとか。

20180614竹林院群報園おかみと対談

社長の井ノ上が、自身の骨密度が一般成人男性よりも高いことや、
お客様のお便りで大腿骨の骨密度が1.2%もアップしたという話、
インプラントをできないくらい細かったあごの骨が、葛を食べることでインプラントができるまで太くなった話、
ほぼ毎日葛を食べている子供の骨折の治りがとても早かった話などをしたところ、
女将さんは大変驚かれました。

吉野山という葛粉と縁のある場所で過ごし、代々山伏でもある先代のご主人(40代目)は、修行もするので、葛を食す機会も多かったそうですが、90代で亡くなった時に焼き場の人が言うには、手の指や足の指の骨がしっかり残っていて、まるで50代の健康な男性に見えるということでした。

また、女将さんのお母様も骨を折っても、すぐ治っていたそうです。

「やっぱり日頃から葛粉を口にする機会があるからでしょうね」と葛と骨とのお話で盛り上がりました。

葛の効能を昔の人は体で感じていたのかもしれませんね。


たっぷりとお話を伺い、いよいよ、お食事です。
今日は『利休鍋』をいただきました。
豊臣秀吉の愛した鍋です。

20180614竹林院群報園あんかけ

あんかけは、優しいとろみ。
つやつや輝く野菜たちもうれしそうです。

20180614竹林院群報園葛うどん

吉野山には葛粉を練り込んだ細麺の『葛うどん』を出す店が多く、「吉野うどん」「葛うどん」として、葛でとろみをつけたあんをかけて出すことが一般的。
今回はお鍋がメインなので、冷やしうどんでいただきました。



さあ、お待ちかね。これが利休鍋です。

生姜と葛粉とだしを少し火にかけ、あらかじめとろみをつけた状態でおだしを用意してあります。

20180614竹林院群報園お鍋始め

まずは鶏肉、そして野菜。
ぐつぐつと沸いてきたら葛の入ったお出汁は透明になります。
最後に鴨を入れれば、出来上がりです。

20180614竹林院群報園利休鍋

昔、太閤秀吉様が吉野村で大花見会をなさった時に武将、茶人、連歌詩たちを伴い、総勢5千人もの多くの人々が、ここで花見を楽しまれました。
長雨の後で気温も低かったため、少しでも葛で温まってもらえたら。
そんな思いで、竹林院ではこの利休鍋を振る舞ったそうです。

秀吉の愛したお鍋、おいしくいただきました!!!

20180614竹林院群報園くずきり

デザートはくずきり。
シンプルに黒蜜でいただきました。


「お料理には葛なしには語れません。
四季折々のお料理に葛粉を使っています。
この食感は、大変貴重な優しい滑らかさで、お料理の風合いを引き出してくれます。

お菓子にしても、お料理にしてもとても優しい滑らかさを出してくれます。
また、美容にも健康にも良いと聞いており
まさに、昔から万能薬として扱われてきただけのものがあると感じました。」と、女将さん。

「喉に癌ができて、水を入れても吐いてしまうのですが、葛湯だけは、飲むことができて大変喜ばれた」という話をしてくれたお客様もいるそう。
改めて葛粉のすごさを感じました。



吉野山の女将さんで集まっている『笑の会』があります。
葛の花から 香水を作ったり、葛飴を作ったりしています。
イベントもみんなで作り上げていかれるそうで、笑顔の絶えない素敵な会。

吉野山に行った際には、そんな素敵な女将さんたちに話を聞いてみるのはいかがでしょうか。

10:16 | 葛ソムリエ | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

2018年6月14日 奈良県吉野町の横矢芳泉堂を訪ねました。

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2018年6月14日 葛の旅で奈良県吉野町の横矢芳泉堂さんを訪ねました。

20180614横矢芳泉堂葛のお干菓子

かわいらしい葛のお干菓子。

蔵王堂からしばらく上がったところでお店を構えているのが、横矢芳泉堂さんです。

20180614横矢芳泉堂店舗

桜の名所奈良吉野山で、先代より吉野葛を原料に葛のお干菓子作りを継承し、心を込めて手作りされています。

20180614横矢芳泉堂木型

横矢さんの木型は100種以上。
この日、コーヒーと共に出していただいたお干菓子は「鮎」と「水紋」でした。
季節に合わせたお菓子を作れるようにと、図案を考え、京都で掘ってもらうそうです。

この木型の原料は「桜」の木。
吉野と言えば桜ですが、理由はそうではなく、桜という木はとても堅く、木型に向いているからだそうです。

20180614横矢芳泉堂木型と社長

実際に手に取らせていただくと、大切に使われていることが感じられました。

店内でご主人にお話を伺いました。

20180614横矢芳泉堂いろり

横矢さんは天極堂の先々代の時からのお客様。
天極堂の井ノ上社長も小さいころから吉野山の配達について行き、おばあ様(先代の奥様)に可愛がってもらっていたそうです。

昭和16年の創業当時は「天極堂」と焼き印を押した木の通箱を使用していました。
「まだ奥に何箱かとってあるのよ」と奥さん。
古いものを大切に取っていてくださったことに心が温かくなりました。

戦時中、葛は配給制の時代。統制があったのにどうしてもと頼むお客様に葛を渡して捕まったこともあるという、貴重な話も聞かせてくださいました。

当時葛は葛湯にして飲んでいたそうです。
胃腸薬として戦地に持って行く人もあったとか。

20180614横矢芳泉堂のれん

役行者が修行中葛を広めたからか、吉野山でも昔は葛を掘っていたそうです。
各家庭でも葛粉を作っており、もちろん横矢さんでも作っていました。
当時葛粉を作るのに使っていた樽を、今もディスプレイに使っておられます。

20180614横矢芳泉堂たる

『このたるだけは残しておこう』
そう思ってディスプレイにしたそうです。

ご主人が大切にしていることは、自分で製造したものを販売しているということ。
実演販売をしていることで、ここで作っている、とよくわかってもらえるそうです。

20180614横矢芳泉堂ご夫婦


吉野山は室町時代からの観光地。
変らぬ風景と変わらぬ思い、変わらぬ味を求めて、吉野山へ遊びに来ませんか?

横矢芳泉堂さんの手作りのお干菓子は、口の中で甘く広がりました。
14:53 | 葛ソムリエ | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

2018年6月14日 葛の旅で奈良県御所市の吉祥草寺さんを訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年6月14日 葛の旅で奈良県御所市の吉祥草寺さんを訪ねました。

20180614吉祥草寺

吉祥草寺は奈良県御所市の茅原にあり、修験道の開祖、役行者の生まれた場所とされています。

吉野本葛の文化は、山岳密教と関係があるのではないかと考え、今回は住職にお話を伺いました。

20180614吉祥草寺本堂の前

山岳信仰というのは、自分が苦しむことで、どこかで誰かが助かっていると思うこと。
だから、山の中で苦行を続けます。
「家で寝てても誰も救えない。」と住職。それはそうですよね。
住職も毎年必ず山に入られるそうです。

20180614吉祥草寺ほら貝

行者様は御所のスーパースター。
雲に乗って移動したとか、海を歩いたとか様々な伝説がありますが、
自分も苦しみながら人々を助け続けました。

行者様の作った修験道を、今も多くの人がたどっています。
その時には鈴懸を着て、梵天袈裟をつけ、お道具を持つのですが、
役行者の時代にはまだ鈴懸というものがありませんでした。
書物には「葛」で作った衣をまとっていたとされています。
この時代、衣服は非常に貴重なもので、
身近にあった葛という植物で衣服を作ったということでしょう。
葛には抗菌作用や速乾性、軽くて丈夫などの利点があるため利用されたのかもしれません。

20180614吉祥草寺護摩木

これは護摩木。
護摩供養の時に焚く木のことで、願い事を書いておくと成就するのだそう。
吉祥草寺では毎月7日の行者様の日と、28日のお不動様の日に胡麻業をしています。

このお寺の本尊、五大明王です。

20180614吉祥草寺五大明王

行者様と言えば、薬草。
山に生えている薬草を使って苦しむ人たちを助けていました。
松の葉や、当帰、もちろん葛もその代表と言えるでしょう。

20180614吉祥草寺住職

講演をするとどうしても食事の話が多くなると住職。
葛は浄血作用もあり、万能薬だったので、お山で修業をする時には欠かせないものだったのではないでしょうか。
行者様の当時、食品と薬品は同じような存在だったとも考えられます。
だから葛を精製して粉にして食べていたかどうかは分かりませんが、
葛は大いに活用されていたはずです。

住職自身、乾燥生姜を自分で作っており、夏こそ冷えるので、夏にしょうが湯を作って食べているそうです。
葛湯も甘酒も本来(江戸時代)は夏の食べ物だったそうです。
夏に保温効果のあるものを摂ると良い。それが昔の人の教えなのですね。

20180614吉祥草寺門

吉祥草寺は行者様が生まれた場所に建てられたお寺です。
行者様は17歳で葛城山、19歳で大峰山と、数々のお山で修業をされますが、
32歳で全国行脚の旅に出る時、
この地に置いていくお母さんのために、自分で自分の像を掘って置いて行かれました。
それが「役行者32歳像」です。

20180614吉祥草寺開山堂前

その像があるのが開山堂です。

20180614吉祥草寺開山堂

32歳像の特長は、役行者がまだ若く、ひげがないというところ。
この像は等身大だと言われています。

通常は髭のある老人姿のものが多いのですが、吉祥草寺は行者様の生まれた場所であるということからこの32歳像を置いているとのことで、これは室町時代の作。

今にも何か喋り出しそうなご様子で、この行者様の前でじっとそのお話に耳を傾けておられる方も多いのだとか。

20180614吉祥草寺32歳像

余談になりますが、実はこの開山堂、行者様は現在仮住まいなのです。
きちんと建て替えを終えれば本堂の横に戻られるということですが、
今のお堂は、小学校の体育館。
古くなって建て替えるということで、そのままここに移築されたそうです。

20180614吉祥草寺ガラス

戦時中、ガラスが貴重な時代に、ガラスが盗まれることがありました。
そこでこのガラスは掖上小学校のものであるとわかるようにと、子どもたちがガラス一枚一枚に文字を彫ったので
今もガラスには「ワキ」の文字が。

そのような大切な歴史は是非このまま残しておこうと、
移築の際にもガラスを入れ替えずにそのまま仕様しているのだそうです。

お坊さんというと、お経をあげるだけの人。そんなイメージはありませんか?
そうではないのだと山田住職は教えてくれました。
お坊さんは、今でいう学者なのだそう。
薬草の知識や、道徳、地理、経済…
様々な知識を持っていて、だからこそ村の人々に尊敬されている、それがお坊さん。

確かに、今日は葛だけではなく歴史や食、普段の行いについてなど多くのことを教えていただきました。


17:41 | 葛ソムリエ | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

吉野本葛のグランピングに挑戦!

2018年5月27日(日)、初めて吉野本葛のグランピングに挑戦しました!

場所は大阪府此花区にある森とリルのBBQフィールドです。

20180527葛のグランピングアボカド

吉野本葛を使ってバーベキュー!
なのですが、集まったメンバーはバーベキュー初心者ばかり。
私自身も20年以上前に林間学校でカレーを炊いたくらいでしょうか。
いつも会社のメンバーでバーベキューをするときは、得意な方が率先してやってくれるので、私は子守りと食べるの専門…。

でも、ここではトイレはもちろん水場やテーブルが完備されていて、火をつけておいてくれるため、材料さえ準備すればどんな初心者でもバーベキューを楽しむことができるんです!!!

20180527葛のグランピングクッキング中

さて、今日のメニューですが、吉野本葛(葛粉)を使ったグランピングなので、ただ肉を焼くだけではありません。

アボカドを切って、トマトとベビーリーフと一緒にサラダを作ったら、かけるのは『葛ドレッシング』

20180527葛のグランピング葛湯

葛粉と水で甘くない葛湯を作り、そこに酢や油を加えます。
油は風味づけ程度で良いし、葛のとろみで良く絡むので、おいしくてヘルシー♪

始めの火加減が上手くできず、葛湯を糊化させるだけでとても時間がかかってしまいました。
炭って、自分たちで足さないと強火にはならないんですよね。
これだから素人は大変ですが、何事も経験です(笑)

20180527葛のグランピング芋洗い

ラタトゥイユやシャクシューカ、リゾットにも葛でとろみをつけちゃいます。
今日のラタトゥイユは長芋入り。イタリアンに和の素材、どんな味になるのでしょう?

初めてのメニューに、みんなレシピを見ながら真剣そのもの。
私もわくわくドキドキしながらのクッキングです。
子供たちも食材を洗ったり、切ったり、焼いたり、たくさんお手伝いをしてくれました。

20180527葛のグランピングクッキング中2

リゾットはみじん切りが大変。
泣きながら玉ねぎを切ったら、たっぷりの舞茸を投入。
せっかく吉野本葛(葛粉)を使うのだから、ヘルシーで身体にうれしいメニューばかりです。
でも、お米を炊くのは火加減が少し難しい!

20180527葛のグランピングリゾットリゾット

ジャジャーーーーン!
2時間ほどでやっと完成。

20180527葛のグランピング出来上がり

もちろんスイーツも吉野本葛(葛粉)ずくしです☆

普段作ったことも食べたこともない料理もあって多少手間取ったものの、
みんなで協力しながら、ああでもない、こうでもないと騒いでいるうちに、
なんとか料理が仕上がりました!!!

もちろん食後のデザートも完璧です☆

20180527葛のグランピングフルーツポンチ

吉野本葛入りのドリンク『クデュウー』には炭酸水とフルーツを加えてフルーツポンチに!
グラスに入れるとカクテル風で、結構おしゃれに見えたんです。(写真撮れていませんが…)

20180527葛のグランピングチョコレート

シナモン葛湯は焼きりんごのソースに!
ココア葛湯はバナナサンドのチョコレートソースに!!

葛湯って、こんなオシャレなデザートになるんですね♪

20180527葛のグランピング集合写真

自然を満喫しながら快適なバーベキュー、しかも、吉野本葛(葛粉)ずくしのグランピングなんて、なんだかとっても贅沢な一日でした。




ここ1年くらい、2020年に出版予定『葛の本』に掲載するレシピを検討しているのですが、吉野本葛(葛粉)といえば葛湯、葛餅、葛きりと和風のものばかり。しかも葛湯ってなんだかおばあちゃんの飲み物というイメージがありませんか?

でも、葛ずくしのグランピングなんて素敵じゃないですか?

吉野本葛(葛粉)は体を癒してくれる素晴らしい食材です。
大人も子供も、楽しく食事しながら健康になれるといいですよね。

いつもキラキラ輝いていたいから、もっともっと、吉野本葛の素敵なレシピを発信していきたいと思いました。


14:34 | 吉野本葛をおいしく食べる | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

2018年5月25日 葛の旅で和歌山県の高野山を訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年5月25日 葛の旅で和歌山県の高野山を訪ねました。

20180525高野山南院門前

高野山は弘法大師が816年に真言密教の根本道場として開創された霊山です。

今日は別格本山南院を訪ね、内海様にお話を伺いました。

20180525高野山 対談

高野山といえば胡麻豆腐。

精進料理は魚肉をさけた料理であるため、こんにゃくを刺身に見立てたり、山芋をうなぎに見立てたりと、植物由来の素材を利用した見立て料理が多く用いられます。
また、五法、五味、五色の組み合わせを大切にしており、彩り豊かな食事が作られます。

南院でもお食事に胡麻豆腐を提供することが多いそうでが、季節感を大切にするため、山葵、生姜、梅酢、木の芽味噌、鉄火味噌、あんかけ、黒蜜などトッピングを変えたものや、天ぷらにしたものなど趣向を凝らしたものを提供されているそうです。

さっそく台所で胡麻豆腐作りの様子を見させていただきました。

20180525胡麻豆腐 鍋

鍋に入れるのは葛粉、練り胡麻、水。
余計なものは含まれません。

しっかりと葛粉を溶かしたら、火にかけて練り上げていきます。
始めはサラサラですが、段々と粘りが出てきます。
少しの量を作るのでも最低20分は練り続けないと、弾力のある胡麻豆腐はできません。

20180525胡麻豆腐 調理

しっかりと練り上げたら型に入れて流水中で冷やし固めます。
そのまま放置すると表面にしわが入ってしまう為、
水の中で粗熱を取ったあと、冷蔵庫に入れてしっかりと冷やし固めます。

南院では子供たちが宿泊する時など、自分たちで作る体験もできるそうです。

20180525高野山 室内

お食事をいただくのは大広間。
欄間に使われているのは奈良県元興寺の古材だそうです。

20180525料理 豆腐

今日の胡麻豆腐はわさび醤油でさっぱりと。
なめらかで弾力があり、何ともいえない食べ心地です。
とてもあっさりとした味ですが、その理由は胡麻にあります。

高野山の胡麻豆腐は白胡麻の皮をむいた「剥き胡麻」に水を加えながらすり潰したものを使うので、
炒りごまのような香ばしさはなく、油分も少なくなるそうです。

20180525料理 お椀

今日のお膳は、里芋の煮物にも葛あんが使われていました。
こちらは白だしに軽くとろみをつけたもので、とても上品な仕上がり。
色とりどりのあられが見た目にかわいいです。

20180525料理全体

葛料理は江戸時代から作られていたことが文献にも残っています。
医食同源と言いますが、やはり体に良いものを摂る習慣があったのではないでしょうか。

内海様が高野山の話と共に様々なお話を聞かせてくださいました。

20180525高野山 女性

食事の後は丁度咲いたばかりの朴(ほう)の花を見せていただきました。
朴葉味噌などは岐阜辺りで有名ですが、実際に朴の木を見たのは初めて。
とても堅い木で、下駄やまな板を作るのに向いているそうです。

20180525ほうの花

朴の葉は8枚、朴の花も8枚。
大きな葉っぱに隠れて下からでは見つけにくいのですが、風に吹かれて朴の花の甘い香りが辺り一面に広がっていました。


本堂の入口には龍の天井画が。
中央で手を叩くと、ビーンという反響音が帰ってくることから「鳴き龍」と呼ばれています。

20180525天井 龍

浪切不動明王や仏舎利塔も見せていただきました。
長い時間いろいろなお話を聞かせていただきました。
ありがとうございます。

20180525高野山集合写真



南院様では練りごまを使うそうですが、高野山にある老舗、濱田屋さんでは白胡麻から作るということなので、帰ってから濱田屋さんにお電話で少しお話を伺いました。

濱田屋さんの胡麻豆腐の作り方は、白胡麻の皮をむき、芯の部分に水を加えてすり潰していくという独特の製法。
胡麻の皮をむいたり、胡麻の芯の部分をすり潰す機械があるそうです。
時間をかけて練り上げるのもこだわりで、濱田屋さんでは胡麻豆腐を練っている間に般若心境を唱えているそうです。

もともと高野山では「豆腐屋」が多く、高野山の高野豆腐は有名です。
しかし、自然の天候に頼った製法であるため、作るのに手間と時間のかかる高野豆腐。
他県では機械を導入するなど製造方法の改良が行われる中、高野山では昔ながらの製法を守っていましたが、昭和33年に最後の業者が廃業となり、高野山での高野豆腐作りは途絶えてしまいました。
その後、南海電鉄やケーブルカーの開通があり、参拝客が6万人を突破し、高野豆腐に変わる土産物が求められるようになり、胡麻豆腐の商業化が始まりました。

今では胡麻豆腐といえば高野山と言われるほど定着しました。

各都道府県によって胡麻豆腐の由来や特徴があります。
高野山の『あっさりとした爽やかな胡麻豆腐』、ぜひ食べに行ってください。
13:56 | 葛ソムリエ | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

ひんやりグルテンフリースイーツを手作り♪

美容と健康を気にする方におすすめ。
吉野本葛のスイーツを使った、アレンジメニューを作ってみました。

吉野本葛のスイーツは小麦粉不使用のグルテンフリー。

おいしく、美しく、スイーツを楽しみましょう!

くずの子パウンドを使った、トライフル①】

20180603パウンドベリー

『トライフル』というのはカスタードやスポンジケーキ、フルーツなどを器のなかで層状に重ねたスイーツのこと。

子供にも簡単に作れるので、楽しくデザート作りができます。

今回は『くずの子パウンド』に冷凍ベリーミックスとバニラアイスを重ね、最後に生クリームを乗せました。

くずの子パウンドを使った、トライフル②】

20180603パウンドオレンジ

これはフルーツ缶詰を使いました。
パイナップル、オレンジ、黄桃が入っていて、こちらもおいしかったです。

凍らせたバナナをスライスして上に飾ればよかったなぁと後で後悔。

どうしたらかわいくデコれるか、イメージしてから作るともっとカフェっぽくなるのでしょうね。

反省点を活かして次回頑張りたいと思います!


クデュウーを使った、カクテル】

20180603ザクロクデュゥー

これはちょっとオシャレでしょ?
直ぐに飲めるカップ入りの葛湯『クデュウー』を使ったドリンクです。

クデュウー』ざくろ味1本に、炭酸水を少し足して、
冷凍ベリーミックスを入れるだけ。

簡単なのにめちゃくちゃオシャレです。

炭酸水の量はお好みですが、
私はクデュウー3に対して炭酸水1の割合がいい感じだと思いました。

炭酸水は甘くないので、あまり入れすぎると味が薄く感じてしまうかも。

冷凍フルーツがいい仕事をしてくれて、ちょっと贅沢な飲み物に。

お酒の飲める方は炭酸水ではなく白ワインやシャンパンで割るといいと思います。


夏はダイエットの季節です。
露出が多くなるし、水着も着ないといけないし、特に女性は大変。
若い女性でなくても、子どもについてプールに行く機会が多い主婦層だって、体型や肌のコンディションは気になります。

でもね、暑くたって家事と育児に奔走するのだから、せめて冷たいデザートをおいしくオシャレに食べたいの!!!

そんなわがままを言うのは私だけではないと思います。

そこで、休みの日に、ひんやりスイーツを手作りしました。

今回のスイーツ、試した方は感想も聞かせていただけると嬉しいです。


【くずの子パウンド】をご購入希望の方→【くずの子パウンド】

【クデュウー】をご購入希望の方→【クデュウー】
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2018年5月22日 葛の旅で福井県の熊川宿資料館を訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年5月22日 葛の旅で福井県の熊川宿資料館を訪ねました。

20180522資料館正面

ここは昭和15年に熊川村役場として建てられた建物で、熊川宿と鯖街道の歴史を見せてくれる資料館です。

20180522資料館 女性

資料館の河合さんに内部の説明や歴史など、熊川について丁寧に説明をしていただきました。

20180522資料館 内部

熊川は直線距離で京都まで50km。
「京は遠ても十八里」という言い回しは良く知られています。

もとは京都の隠れ家的な存在で、40戸ほどの小さな町でした。
信長の浅倉攻めの時「小豆の知らせ」で慌てて帰ったのが鯖街道なのです。

20180522資料館 眺め

小浜城主が浅井長政になった時には街道として繁栄し、熊川に行けばどんな仕事もできるのだと移り住む人が増え、200戸の大きな町になりました。
実際に商売をする人が多く、YMCAの創業者や菊乃井の村田家などはこの地域から排出されているそうです。

20180522資料館 社長+女性

貴重な資料と共に、葛粉作りに関する道具も保存されています。

20180522熊川葛 道具

大蔵永常の書いた製葛録とともに、葛を研ぐための木桶や、乾燥させるためのコジュウタなど、当時使われていた葛粉作りの道具が紹介されています。

20180522熊川葛 箱

葛は京都の和菓子屋や料亭で使われることが多く、箱に納められた物も展示されていました。

20180522熊川葛 コンテナ

今はダンボールやプラスチックが多く使われますが、当時の荷物は木の箱に詰められて運搬されました。

熊川での葛粉作りは、農家が葛の根を掘って、晒し屋さんが葛粉に晒し、京都に売られていました。
石灰を採っている山が多く、他の山より良い葛が採れると言われていたそうです。
葛粉作りは3カ月働いたら1年間食べることができると言われていましたが、農家の減少と共に葛根を掘る方もいなくなり、葛粉作りも途絶えてしまいました。

熊川では町おこしの為、数年前から葛粉作りを復活させています。
商業用ではないものの、今も有志が集まって葛粉を作っているそうです。

20180522井戸

熊川の歴史、変遷、偉人、生活の知恵など、様々な紹介をしていただける資料館。
まずは資料館で説明を聞き、その後に熊川宿をまわると、より一層熊川宿の魅力を味わえる事と思います。

20180522資料館前 社長

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2018年5月22日 葛の旅で福井県のまる志んさんを訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年5月22日 葛の旅で福井県のまる志んさんを訪ねました。

天極堂の井ノ上社長、まる志んのご主人、まる志んの社長(息子さん)
20180522集合写真 3人

まる志んさんと天極堂の出会いは約20年前。
もともと福井県の熊川で衣料関係の仕事をしていたご主人ですが、
この地域を熊川宿として整備するとなった時に、
観光で来られるお客様のために飲食店をしようと思ったことが始まりです。

20180522まる志ん 店頭

若狭葛(熊川葛)が名物だったこの地域で
葛の専門店をしようと思ったご主人は、
天極堂奈良本店に来られ、葛もちや葛きりの作り方を学ばれました。

今もまる志んさんで出される葛もちと葛きりは天極堂流。
あたたかい葛もちに驚くお客様も多いのだとか。

20180522まる志ん 社長

「家族で仕事をするのはいいね。毎日働かせてもらえる。
食の仕事は楽しいし、今も朝から晩までバリバリ働いてますよ。」と笑顔のご主人。

そんなまる志んさんの人気メニューはもちろん「葛もち」と「葛きり」。

でも、福井は蕎麦の産地で、大根おろしと鰹節をかけた「おろしそば」が名物。
まる志んさんでは特別に葛を練り込んだ蕎麦を作ってもらっているそうです。

20180522そば

地元の蕎麦は手打ちで太く、ごつごつしているのが特徴ですが、
葛入りの蕎麦は喉ごしが良いように細麺にしています。
つるりとなめらかな食べ心地でした。

葛でとろみをつけたあたたかい「あんかけそば」もおいしかったです。

こちらはおかみさんの手作り。
福井名物の「葛まんじゅう」は欠かせません。

20180522葛まんじゅう

若狭といえば葛の他に鯖も有名。

昔は小浜で採れた鯖を京都に運ぶためにこの街道を使ったことから、若狭街道は近年になって鯖街道とも呼ばれるようになりました。
そこで、まる志んでも葛と鯖を名物にという思いで、鯖寿司の作り方を学び、息子さんご夫婦が「鯖寿司」を作るようになりました。

20180522社長+社長

葛をご主人と奥さんが学んで、鯖は息子さんご夫婦が担当。
いい役割分担ですね。

20180522鯖寿司

大きな鯖を生で仕入れ、血抜きをしてから絞めていくので、出来上がるまで5日はかかります。
手間がかかるうえに賞味期限は短いのですが、肉厚の鯖は油がのっていて食べごたえがあり、わざわざ遠方から来られる方の気持ちがよくわかります。

20180522集合写真 店内

今ではお孫さんと曾孫さんを含め、4世代で同居されているとのこと。

核家族化が進んだことで日本の良い伝統まで受け継ぐことが困難になっている中、
お孫さんのお嫁さんまでもがお店を手伝ってくれているということにとても感動しました。

皆さんの笑顔を見ていると本当に温かい気持ちになりました。

日本って、こんな国だったのではないでしょうか…。

20180522熊川陣屋跡

熊川宿は江戸時代から続く宿場町。
しかし、南北に吹き抜ける風が強く、何度も大火が起こっています。
その為、「いい家は建てるな」というのがこの地域での教えでもあります。

壁に漆喰を塗っているのも防火の為。
格子の窓は内側の土戸を閉めると火が入らないようになるそうです。

20180522まる志ん 壁

熊川宿の特長はこの水路。
山からの水が流れているのですが、水量や速度が常に一定になるように設計されており、昔の測量技術の高さがうかがえます。

水路にかけて使うのがこの「イモ洗い」。
中に里芋などの芋を入れておけば、水の流れでくるくると回り、芋の土を洗い流してくれるのです。
とても短いお話の中でも、たくさんの知恵が受け継がれていることが感じられました。

20180522水路

まだまだ紹介しきれない熊川宿の魅力がたくさんあります。
皆さんも、時間を作ってぜひ訪れてみてください。
大阪・奈良からなら車で2時間。
日本の素晴らしさに気付くことのできる旅になると思います。
10:56 | 葛ソムリエ | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

2018年5月22日 葛の旅で福井県の伊勢屋さんを訪ねました。

【葛ソムリエが、葛を旅する。】

葛ディスカバリー

2018年5月22日 葛の旅で福井県の伊勢屋さんを訪ねました。

20180522葛まんじゅう のぼり

福井県の小浜は昔から湧水が豊富です。
道路のわきには水路が走り、各家庭や店舗には水場が設けられていました。
お米を研いだり、スイカを冷やしたりとこの水は日常生活に必要不可欠。
夏になるとどの家庭でも葛まんじゅうを作り、水場で冷やしていたそうです。

20180522葛まんじゅう

昔は15件ほどの和菓子屋が軒を連ね、
どの店でも葛まんじゅうを売っており、
葛まんじゅうを水場に並べてある風景は小浜の夏の風物詩ともいえます。

しかし、昭和30年代以降、水場の使い方について保健所の指導が入るなど
時代の流れで徐々に水場を活用する習慣がなくなってゆき、
今では水場で葛まんじゅうを販売するスタイルは伊勢屋さん1件になってしまったそうです。

今日は5代目の上田藤夫さんにお話を伺いました。

20180522伊勢屋 社長

もともとこの辺りは若狭葛が有名で、おいしい和菓子が作られていました。
葛根堀りは男の仕事、草鞋編みは女の仕事。

しかし、今では農家の人もサラリーマンになってしまい、
農閑期に山に入って葛を掘る人はいなくなりました。

今では若狭葛の生産はほとんどなく、
伊勢屋さんでは吉野葛、秋月葛を足して和菓子を作っているとのこと。

20180522葛 見本

伊勢屋での葛まんじゅう作りは2代目のときから始まりました。

葛は本返しといって完全に透明になるまで糊化させ、
盃に葛とこしあんを入れたら、水場に浮かべて冷やします。

昔は清水焼の様々な形の盃を使っていたそうですが、
今はパックに入れてお持ち帰りいただいても形が壊れにくいようにと
専用の丸い方が使われるようになっています。

20180522葛まんじゅう 作業

わらび餅を冷やしすぎたら真っ白になって固くなってしまうように、
葛まんじゅうも冷やしすぎると風味を損ないます。
それなのに、水場につけっぱなしで大丈夫!?と思いますが、
この湧水は年間を通して14~15度に保たれているため
葛が固くなりすぎず、瑞々しくてとろんとした食感を保つことができるそう。

まさにここでしか味わえないものです。

20180522葛まんじゅう 水

この湧水、『雲城水』というのですが、日本の名水100選にも選ばれている水。
海がすぐ近くにあるにもかかわらず、粘土層からわき出てくるのは真水。
しかも雑菌がいないのでなかなか腐らないというとても貴重な水なのだそうです。

伊勢屋の名物は夏の『葛まんじゅう』と冬の『丁稚羊羹』。

どちらもシンプルですが、「シンプルな和菓子ほど難しい」と上田さんは語ります。

では、伊勢屋の和菓子がなぜおいしいか。

それはやはりこの湧水、『雲城水』が理由だそうです。

湧水は素材の良さを引き出してくれる。
餡の風味。葛の風味。
口あたりがよくてまろやかな湧水だからこそ作れるお菓子。

「葛まんじゅうは切らずにひと口で食べて」と上田さん。
つるりと喉ごしが良く、何個でも食べられると笑顔で教えてくれました。

20180522社長対談

今は6代目の浩人さんに受け継がれ、季節に合わせた新商品も出ています。
水の流れる音を聞いているだけでもすーっと汗がひき、涼を感じることができます。

ぜひ、福井県小浜市、伊勢屋さんまで足を運んでみてください。

20180522伊勢屋 店内


「家業でしているのは定年がなくていい。
土日もなく仕事をさせてもらえるし、
60を過ぎたから急にもういらないと言われることもない。
それほど量は作れないけど、
葛まんじゅうを作るのは今も私の仕事なんです。
死ぬまで仕事ができるなんて、本当に有難いことです。」

藤夫さんがつぶやいた言葉が印象に残りました。


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